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「やりたい時にやらなくてはいけないよ」その(19)

地球一周、108日間の旅を終えました。

その①からその(18)まで

https://rokugama.exblog.jp/


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12月に帰国して、年が明けた頃に結婚を決めました。


最初、結婚式は挙げないで写真だけ撮ろうと思っていました。

神前式もありますが、やはりウエディングドレスを着る教会式となると、バージンロードを父親と入場するあのシーンをイメージしてしまいます。

父のいないバージンロードを歩く私、参列者はどう思うでしょう。


しかし以前、私が結婚する事を兄に報告したら「おめでとう。じゃあバージンロードには僕が付き添わなくちゃな。」と言ってくれたのを思い出しました。そんな風に考えてくれていたんだと有難い気持ちになったのと、母が「写真だけならドレス選びと撮影の日は見に行くから!」と言うのを聞いて、やはり式を挙げようと思いました。


式場では、色々なプランを自由に組み合わせたり持ち込みも良いそう。夫の映像関係の先輩がDVDを作ってくださり、人前式の宣誓書はミュージカルでお世話になった方に書いてもらいました。

陶器の引出物は私が作り、夫のこだわり、式場で撒いてもらう金のテープをひたすら斜めにカットして用意しました。

当日は、入場の歌、司会、出し物の寸劇を、ミュージカルの共通の友人が盛り上げてくれました。


もう、夫を父と比べる事はありませんでした。(夫と元彼を比べた事はありますが。)

別の人物だと分かっていますし、夫は父の歳を6歳超えています。歳上かぁと思うとなんだか変な感じです。

でも、ふとした瞬間に不安になるのです。


その年の夏の夜、24時間テレビの予告が流れ、ある夫婦が紹介されていました。

夫の余命が短いと分かっていて結婚した妻のインタビューでした。夫の遺影を見ながら、結婚する以外の選択肢は無かったと。

番組のCMなので、その一言しか聞けませんでしたが、恐ろしいものを見てしまったような気がしました。

寝ていた夫に「今テレビでね、夫を亡くした奥さんがいるんだけど、夫はもうすぐ死ぬって分かっているのに結婚したんだって、、、、。」言い終える前に涙が出て止まりませんでした。

漠然とした不安の意味が分かりました。


人は必ず、死別する人と結婚するんだ。


その(20)へ続く。


by mitokosan | 2019-03-10 10:43 | Kindle「父への感謝状」草案 | Trackback

陶芸家が綴る、心と身体の事。


by 三戸珠恵